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金嬉老元受刑者死去 68年、寸又峡で籠城事件 81歳(産経新聞)

 【ソウル=水沼啓子】1968年に静岡県で2人を射殺後、温泉旅館に立てこもった「金嬉老(きんきろう)事件」で無期懲役が確定後、99年に仮釈放され韓国に渡った金嬉老(本名・権禧老=クォン・ヒロ)元受刑者が26日、韓国・釜山市内の病院で前立腺がんのため死去した。81歳だった。

 金元受刑者は静岡県で借金返済を迫った暴力団員2人を射殺。その後、県内の寸又峡(すまたきょう)温泉の旅館でライフル銃やダイナマイトで武装し、人質13人を取って籠城(ろうじょう)した。籠城の様子はテレビで実況中継され、日本最初の劇場型犯罪とも言われた。

 在日韓国人2世だった金元受刑者は、人質解放の条件として民族差別発言をしたとされる警察官に謝罪を要求。マスコミを利用し、一躍世論の注目を浴びた。韓国でも大きく報じられ、民族差別と闘った英雄として取り上げられた。

 4日後、報道関係者にふんした捜査員によって逮捕された。75年11月に最高裁で無期懲役判決が確定。90年に韓国・釜山で仮釈放を求める署名運動が始まった。99年9月に事件から31年ぶりに仮釈放され韓国に渡ったが、韓国では“民族の英雄”として迎えられた。

 釜山で2000年、内縁関係にあったとされる女性の夫に対する殺人未遂事件などを引き起こし、韓国で再び服役。03年に出所した後は、韓国のマスコミにもほとんど登場することがなくなった。

 関係者によると、金元受刑者は「遺骨の半分は父親の故郷である釜山沖にまき、半分は静岡県の母親の墓に埋めてほしい」との遺言を残していたという。

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